惨状と説教

誰か山から降りてきてほたえてから山に帰っていく記事。ブログ

アメリカ大統領選でフツーにアホのように驚いただけのことについて

 ドナルド・トランプが次期アメリカ大統領だという。職場で昼休みに点いていたテレビで「優勢」のニュースを観て、夜帰宅したら決着していた。

 

 驚いた。

 

 俺は30になったが、世間の人がちょっと引くぐらいものを知らないので、俺の中でアメリカ大統領選とはメールのおばさんと頭髪の怪しいセクハラおじさんとが繰り広げる口ゲンカだった。そして、おばさんが勝つと世の中がどうなり、おじさんだとどうなるのかなど、まったく考えないし考える気もなかった。twitterなど見ていると、みんな円がどうとか国防がどうとか言ってて、すげーな、と思った。 

 それでも、俺はメールのおばさんが勝つと思っていた。おばさんのメールがどれだけまずい行為だったのか、また、おばさんが嫌われる他の要因がなんなのか俺は知らないが、対する頭髪の怪しいおじさんは猥談垂れ流されちゃってて、p---y言ってる音声がダダ漏れちゃう人に誰が票を入れるんだと思っていた。

 おじさんはスキャンダル流された割りに善戦しているという。でもなんだかんだ言っておばさんが勝つでしょ、そういうもんでしょ。知ってるんだぼかぁ。だてに30年生きてないからね。

 

 結果どうなったか。

 

 おじさんが勝った。

 

 そもそも、おじさんはただのおじさんではない。不動産王(このキャッチも報道の受け売りで俺の知識のつたなさを物語るが)で富豪になる時点で並のおじさんではないし、大統領選で並みいるライバルを蹴落とし、最有力候補の一角となり、最大の強敵であるおばさんとの優劣は開票直前になっても不明、とされているおじさんが普通のおじさんであるはずがない。

 事実を、事実だけを拾えばおじさんが大統領になることはありえる。というか本当にそうなった。俺の、「結局おばさん勝つでしょ」とか関係なかった。そういうもんでしょ、とか全然関係なかった。そういうもんじゃなかった。

 

 繰り返すが、それでも俺は驚いた。

 

 確信を持って出した解答にペケがついて返却されたとき、おおげさなことを言うと、それはただの誤答や減点だけを意味しない。解答者の、そいつの人生におけるルール自体が間違っていたのである。

 

 俺と同じように自分のルールが間違っていたことを知った人は、今日この世界に何人ぐらいいるのだろうか? 多いのだろうか? 少ないのだろうか? それは誤答を発する前に気づきようのない誤りだったのだろうか? 彼らに情報をもたらすメディアに一因があるのか? それとも、単に彼らの勉強不足のせいなのだろうか?

 

 とりあえず俺の答案用紙にはでっかいバツがついて返ってきた。俺はクズなので、以降はがんばって勉強しよう、という風には思わない。おじさんが大統領になって世の中が、日本が、俺の生活がどう変わるかにも想像を働かせる気は起きない。

 また、どう知識を集めようと世界はそれをすり抜けていくものだから、という悟ったような結論まで進む気もない。

 ただ驚いた。そんな感想で終わっとくのが俺にはお似合いだと思う。p---y。