惨状と説教

誰か山から降りてきてほたえてから山に帰っていく記事。ブログ

2019年9月8・9日について

 近所の図書館まで行く途中、にわか雨が上がって浴びせるような熱気が町を覆っていて、遠くの空に金属質なぐらいぎらぎらした入道雲がかかっていて、通りすがりのマンションの壁を見たら蛾が交尾していた。
 蛾の交尾は変だな。お互い反対の方向を向いて、腹だけをつなげて、微動だにしないでいる。他の昆虫はたいていもっと動的なのに。
 あまり愉快じゃない時間を、静かにやり過ごしている、という感じに見えた。それでいて、なんとなく部外者が邪魔したらいけない雰囲気があるのもおかしかった。俺も何をやっているんだろう、しばらくそれを見ていた。
 
 図書館から帰り道、ふと思い出して同じ場所に寄ってみたら、一匹だけが残って、やっぱりじっとしていた。
 去ったのはメスだろうかオスだろうか。
 どちらか明らかなようにも思えるし、どちらもあり得るような気がするが、なんにせよ人間という別の生き物からの類推にしかならなくて、それもおかしい…というか、蛾にしたら大きなお世話だと言うところだろう。
 
 職場からの帰り道に大きな本屋があって何を買うにも重宝していたが、店内にある、日本の情勢を取り扱っているというスペースが、今の日本を称揚する本と韓国批判の本と先の大戦で日本は実は勝てたんだという本で埋め尽くされていて、なんだかげんなりした。
 
 そういう本をそれぞれ非難するつもりはまったくなくて、割合はわからないがいくらか(あるいは100%?)妥当な部分があったり根拠があったりするんだろう。
 商売なんだから売れるものを置くのは判断としても当然なわけで。
 ただ、俺の中の本屋はもっと時勢と切り離された世界で、自負もトゲももっと屈折したかたちで隠れていて、もっと鷹揚な場所だったんだけどな。
 
 「本屋が時勢=流行と切り離された世界ってあなた、ほんとに本屋入ったことありますか?」ってそりゃそうか。
 要はこれまで、変なコーナーしか視界に入ってこなかったんだろう。それか、自分でも知らないうちにちゃんと流行に染まっていたか。
 でもまあ、もういいや、って感じ。品ぞろえがちょっと悪くても、遠くても、他の本屋に俺は行くよ(これが反対に、親韓と日本disの本ばっかり置いてあったら…。「はは、おもしれえや」ってなったかな。どうもフェアじゃないですね)。
 
 以上、よろしくお願いいたします。