爆散する恋心。『チェンソーマン』6巻の感想について

 記事の題名、ちょっと考えたけれどもう公式のつけたコピーがさすがそのまんま正解ですわ。

 まんま的を射ている。そして本編ももちろん素晴らしい。『チェンソーマン』を読むときはアルコールでハイとぐでぐでのアイノコになって楽しむ、というのが俺の好きな読み方ですが、今回もそれで最高でした。

 

 詳しいことは書かないけども、前巻でデンジに言い寄ってたレゼはやっぱり危険&超危険なヤツでした。ってんで、死人が超出ます。

 

 以下、少しネタバレ。

 騒動がひと段落してのデンジ。デンジはまあアホでスケベで、バカ=人の心の機微とかいちいち考えないところが一周して誰かのハートをつかむ、みたいなところがあったけど、今回の大騒ぎの幕引きのデンジは本当にただカッコよかったんじゃないかな。

 あれで相手がオチなかったのは、それだけ相手の悲壮さを感じさせる場面だった気がする。

 6巻の最後に、「本当は自分も○○」という告白があるけど、ひとつの嘘の告白の中に他の嘘を謝る気持ちも含まれているようで、本当はやっぱりデンジのことが好きだったんじゃないかな、と思いました。

 

 マキマの新しい能力っぽいのが登場しますが、「1人1能力」の作品でもないので、なんかもうめちゃくちゃ引き出し多そうで怖い感じです。あとパワーちゃんね。もうパワーちゃんとくっつけばいいんじゃないのかな。

 

 ところで、6巻で俺が一番好きなシーンはデンジとは関係なくって、「はあ…今日合コンだったのになあ」「俺も連れてってくださいよ」です。

 喋ってるの、両方とも「ポッと出」のキャラなのに、一気に空気が締まる&作品の密度が上がる。

 こういう演出を、ドがつくほどばしっと、かつ軽やかに決めるのが藤本タツキさんのすごいとこです。尊敬します。次巻も楽しみ。

 以上、よろしくお願いいたします。