2019-01-01から1年間の記事一覧

命がわからないことについて

www.asahi.com www.cnn.co.jp www.jiji.com 生きるために死ぬような思いをしなければならない人がいれば、生きていくにはなんの支障もなくても、危険を伴うような場所に行かなければ生の実感を持てない人もいて、明日自分が死ぬなんて思っていなくても死ぬ人…

11月3日について

今朝、近所の店で買ったパンとコーヒーを近所の公園で食べていたら、少し離れているところで、ようやく歩き始めたという感じの小さい子供が泣いていた。 子供は、ときどき何か言いながら両手をぶんぶんと振る。その視線の先には、お母さんらしい女性が公園の…

『バトゥーキ』5巻が普通に面白かったことについて

普通に面白かった、という話。 連載開始当初は死ぬほどつまらない…見せかけて、あらためて、読んでみたら死ぬほど面白かった『バトゥーキ』。 あまりに急激に手のひらを返したため俺の手首が折り曲がってしまった『バトゥーキ』。 5巻が引き続き面白いです。…

10月19日について②

深更に襲来し俺のテントを水煙のるつぼに変え周囲を湿原にしてしまった雨は、朝になるとともに徐々に弱まり始めた。 コンビニに買い出しに行った後、テントに戻った俺は、カップラーメンと残ったスープに五目おにぎりをぶち込んで汁ごと喰うという悪魔のよう…

10月19日について①

午後11時、テントの天井から吊ったランプの周りを、迷い込んだらしい蠅が一匹、嬉々として飛び回っていた。うっとうしいな、と思いながら寝袋の中でもぞもぞ体を動かす。 この日、俺は都内のキャンプ場に泊まっていた。テントの外には小糠雨が、降ると言うよ…

今週のお題「運動不足」について

運動というと、最初にスポーツのイメージが浮かぶ。 週に2回くらい、30分程度のランニングをこころがけている。 走る前はこれがまあやりたくないこと、こんなに億劫なことがこの世にあるのか、という感じだが、なんとか自分を無心にして(「気合い」や「克己…

お題:「#わたしの推し米」について

お題:「#わたしの推し米」について シロメシがうまい食事どころというのがある。 考えてみるとなんだか不思議な気がするが、それは定食屋だったり中華料理屋だったり飲み屋だったりして、どういう店ならシロメシがうまいとか、一概に言えなかったりする。 …

たぶん俺だけが思う狂気の正体、映画『ジョーカー』の感想について

(この記事はとても長いので、読むのに10分ぐらいかかります。ネタバレなしのとこまでなら2分ぐらい) はじめに 思ったよりも複雑な映画でした。そして、思ったとおり、いや、思った以上に美しい映画でした。 複雑な、というのは、俺の想像していたのは、も…

2019年10月2日について

日本人以外のアジア人はうるさい。うるさくて周りの迷惑を全く考えていない。日本以外のアジア人に恥という感覚などないのだろう。 公共の場で大人数で移動しながらデカいスーツケースを引きずってデカい声で騒いでいるのはたいていアジア人。 俺には広東語…

10月1日。死ぬときに思うことについて

箱根のポーラ美術館の前には、林道がゆるい蛇行を描いている。 箱根を訪れて、バスに乗ってその道を揺られていた。天気がいい日で、道の左右には木々がたっぷりと生い茂っていて、射してくる日の光まで心持ち緑色ににじみながら、舗道を照らしている感じだっ…

間違っても「超娯楽大作」ではない。『アド・アストラ』の感想について

はじめに 物語の終盤のある場面で、観ている自分の顔がいきなりぐしゃっと歪む感覚があって、なんだなんだ、どうしたんだ、と驚いた。 なんで俺は泣いているんだろう。 俺は嗚咽していた。恥ずかしい。でも、スクリーンの中のブラッドピットもそのとき泣いて…

9月19日。電子のお化けと紙のお化けについて

紙の書籍か電子書籍かという議論があるようで実際はもうひと昔前の話題なのかもしれないが、「紙の温かみ(笑)」とかってバカにされているようで意外とこれがバカにならず、部屋が紙の漫画と本で埋もれているのはやはり紙信仰みたいなものがあると思う。 で…

豚コレラについて畜産ド素人が考えてみたことについて(アフリカ豚コレラと、やっぱりなぜワクチンを打たないのか編)

前回、豚コレラの豚肉は食べても害はないが食べてはいけない話と、豚コレラワクチンを打たない理由について書いた。 イノシシについて なぜ豚コレラの話題でイノシシが出てくるかというと、野生のイノシシが病気を媒介する原因の一つになるからで、興味深い…

豚コレラについて畜産ド素人が考えてみたこと(なぜ食べてはいけないか編)

はじめに パッケージ化され冷凍された豚のブロック肉を料理で使うたびに、なんだかモノのようだな、と思う。 かたちも真四角に成形されていて、売り方によってはすでに食べやすいサイズに切り分けられていたりして。生き物(だった)感がない。 それが鍋にか…

2019年9月13日について

電話で応対した相手が、あまりに頭のいい方なので驚いた。 向こうが基本的にまだ知識の浅い人であるのは、本人も自身でそうことわっていたし会話していてもわかるのだが、受け答えの精度がすごい。 俺のつたない解説を完璧に理解した上で、本来ならある程度…

2019年9月10日について

気が滅入って困る。気づくと、死ぬこと(死にたい、ではなく、死んだらどうなるかなど、死ぬことそのもの)について考えていたりする。 といって、ひたすら気分が沈鬱に落ち込んでいるわけでもなく、性欲とかそれなりにあるのが滑稽だ。 この前見た夢で、宵…

2019年9月8・9日について

近所の図書館まで行く途中、にわか雨が上がって浴びせるような熱気が町を覆っていて、遠くの空に金属質なぐらいぎらぎらした入道雲がかかっていて、通りすがりのマンションの壁を見たら蛾が交尾していた。 蛾の交尾は変だな。お互い反対の方向を向いて、腹だ…

『言い訳』は少年漫画だ。ナイツ塙のM-1・漫才評『言い訳』の感想について②

※(前回からの続き) Mー1の分析をすすめる上で、時間の使い方や盛り上げ方以外に塙が言及したことがあります。 それは、どのように決勝に乗り込むかということの重要性、ぶっちゃけて言えば、敗者復活枠からの参戦、もしくは初出場という肩書きが持つドラマ…

『言い訳』は少年漫画だ。ナイツ塙のM-1・漫才評『言い訳』の感想について①

少年漫画でゾクゾクくる好きな展開というか演出がありまして。 作中で、強キャラのポジションをすでに確立しているやつが、別のキャラクターの強さを「こいつは強いな」って肌感覚で瞬時に理解する、もしくはストレートに褒め称えるやつ。これが好きなんです…

絶賛されている『ダークナイト』に感じる違和感について(感想に代えて)

要は、誰にも検証されないものを、はたして正義と呼んでいいんだろうか? ってことで。 10月に公開をひかえた『ジョーカー』が面白そうで、期待を膨らませていたらなんだか我慢できなくなって、同じジョーカー(世界観は違うみたい)が活躍している『ダーク…

『古見さんは、コミュ症です。』が14巻でえらいことになっていたことについて

俺はかねてからもう留美子と付き合えよ、とかふざけて言っていたんだけど、そういうことをある意味へらへらしながら言えていたのは、この作品の中にある三角関係にかかる恋愛描写が、いい意味であまりくっきりしていなかったからで、それが今巻の終盤のある1…

『チェンソーマン』は面白いのか面白くないのかよくわからないけど面白かった話

何ヶ月前のことか覚えていないが、俺は『チェンソーマン』の1巻を買った。 そこまで面白くなかった。 これは言い方が難しい。正確に表現できている自信がないし、たぶん正確に伝わっていないと思う。 「そこまで面白くなかった」という言い方にどうしてもた…

『ゴールデンカムイ』18巻がすさまじかったことについて

ネタバレを含むので、未読のファンの方は注意 面白いのはいまさら言う必要もない…はずの漫画なんですが、18巻(の後半)がマジですごかったので、つい感想を書きたくなりました。 演出というのか、伏線というのか…。 伏線という表現を使うのにちょっとためら…

蝉の成虫の寿命が一週間であるわけがないことと、ナマケモノからナマケモノへのお願いについて

あるところに昆虫好きの少年がいた。 近所の木が咲かせた花にクマバチがやってくれば虫取り網を振り回してそれを追いかけ、夏に公園のクヌギに勝手に黒蜜を塗っては、仕事で疲れた父親を付き合わせて早朝にそれを見に行く。 暇さえあれば、当時は実物を見る…

汚物について

一週間のうちほとんど感情を動かさず表情も変えることなく生きているが、たまに飲み会に行くとたくさん愛想笑いをすることになるのでなんとなく帳尻が合うようになっている。 救いがたいのは、興味もなく噛み合うこともない会話の中に自分なりに寂しさが埋ま…

悪夢について5

勤め先に行くために、どこかの駅で切符を買おうとしていた。 券売機の調子が悪いのか、硬貨の状態がよくないのか、機械が何度小銭を入れても受け付けてくれない。自分の後ろには切符の購入を待つ人たちが並んで列をつくっている。 列はどんどん長くなってい…

「NGT加藤美南が研究生降格」という見出しから感じる違和感について

ファンの方には悪いのだが、○○48とか○○坂とかの界隈が嫌いだ(ひとくくりにするのもまずいのだろうか?)。 メンバーのことが、ではなく、あくまで彼女たちの周囲に漂っている空気感、事業全体が形成している雰囲気みたいなものが。 俺はあの界隈を、割と積…

『レイリ』完結に寄せる言葉について

完結しました。お疲れさまでした。 実を言うと、たかがいち読者の身で勝手ながら、この6巻を読み始める前は不安がありました。 以前、記事でも書いたことなのですが、物語の開始当初からどうにもストーリーのエンジンがかかるのが遅すぎると感じていたところ…

クマバチ、犬、知的生命体、あるいは愛の辺境の美しさについて

ムダなことがこぼれそうでも 交尾のための生じゃなく スピッツの『ハイファイ・ローファイ』という曲の一節で、はじめて耳にしたときの年齢が10代半ばということもあって、こころの芯を突き刺されたような衝撃を受けた。 16~17の頃といえば基本的にエロいこ…

2019年4月29日について

天気がいいので野川公園に遊びに行った。 短い橋をわたり、川べりからわずかにあがったところで腰をおろした。ファストフードをかじっていたら、散歩中らしい色素のうすい日本犬が近づいてきて、俺の靴の匂いを嗅ぎ、それから肛門を見せながら去っていった。…