2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ疑うのか。『哭声』の感想について

今週のお題「SFといえば」 はじめに 2016年の韓国映画。日本の俳優として國村隼がきわめて重要な役どころで登場する。 韓国の田舎町で、殺人事件が連続する。犯人が幻覚性の植物を摂取したことが凶行の原因といわれているが、同時に、科学では説明のつかない…

SFについて

今週のお題「SFといえば」 アホなので、 高校生の途中ぐらいまで、SFのことをSpace Fantasyの略だと思っていた。 宇宙に戦艦とかが進出して宇宙空間で戦争したり、よその星に旅行に行ったりするイメージだ。「でも、宇宙に行かない『SF』もあるのに、同じSF…

『Dr.STONE』の完結に寄せること、もしくは『Dr.STONE』の主人公は誰であったのか、ということについて 2/2

今週のお題「SFといえば」 sanjou.hatenablog.jp 呪いが明らかになる 『Dr.STONE』では、多かれ少なかれすべてのキャラクターが脚光を浴びる。すべてのキャラクターが、彼女/彼なしではミッションを達成できなかった、という役目を負う。 では、そういう物…

『Dr.STONE』の完結に寄せること、もしくは『Dr.STONE』の主人公は誰であったのか、ということについて 1/2

今週のお題「SFといえば」 一人欠けてもかぶは抜けない いきなりだが、みなさんは『おおきなかぶ』を知っているだろうか。 地面に植わった巨大なかぶを抜くために、じいさんがまず挑戦し、無理なのでばあさんを呼び、二人がかりでも無理なのでばあさんが孫娘…

『AIの遺電子 Blue Age』の感想について

今週のお題「SFといえば」 薬で楽にはなるけれど 心とはなんだろうか、という質問はよくあるわりに、実際は問いかけとして漠然としすぎているので、少し角度を変えてみる。 心というものに、どうやって向き合えばいいか、ということだ。 世の中、心というも…

『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』の感想、もしくは単にメアリーかわいいぜ、の話にについて

今週のお題「SFといえば」 はじめに 二十年近く前、志望校の過去問を解いているとき、英国の女流作家メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にした論説が出てきた。 俺はそこで二つのことを学んだ。 あのガタイのでっかい角ばって頭にネジが刺…

『ビバリウムで朝食を』1巻の感想について

今週のお題「SFといえば」 三十年近く前、俺が小学生だった頃、『ドラえもん』はまだ漫画として現役だった。 もちろん、作品そのものとしては今だって普通に現役なのだが、コミックスが進行形で発刊されているという点で、『呪術廻戦』とか『HUNTER×HUNTER』…

大阪旅行について 4

sanjou.hatenablog.jp sanjou.hatenablog.jp sanjou.hatenablog.jp 現代では俺たちの手のひらの中に。 俺も死ぬまでに曼荼羅を作りたい。 ここから、お前たちがよく見える、と言った。 頭がいくつも欲しい人生だった。 背面は緑になっているから気を付けろ。…

悪夢について 7

部屋の窓がすべて閉められていて、隙間から陽の光が射している。朝なのか昼間なのか。夕方なのかわからない。 自宅で親と二人で食事を目の前にして、皿の上に蝶の幼虫を焼いたものが何匹か乗せられている。火が通っているはずなのにまだ動いていた。 それを…

大阪旅行について 3

sanjou.hatenablog.jp sanjou.hatenablog.jp 「太陽」と「塔」という言葉を同時に摂取できるものがあるという。 国立民族学博物館。 俺の民族。お前の民族。俺たちの民族。 俺たちは世界中で俺たちじゃなくなりたがっている。 俺たちは世界中で俺だけを見て…

大阪旅行について 2

sanjou.hatenablog.jp 大阪市立自然史博物館の前には骨があるんだ。そして下から見られるんだ。 気づくとキノコが生えていることもある。 生きている限り。死してなお。 獲物を体内から食らう寄生バチの生態は、ダーウィンに「神がこれを創造するはずがない…

大阪旅行について 1

はじめに 大阪に行ってきた。モディリアーニを見るために。他の造物を見るために。 お写真 中之島。 中之島2。都会だな。 滞在に使った岸里玉出。人がいない。 ホームから。撮り鉄でなくても、エヴァ世代は線路と架線が見えるとテンションが上がる。 駅に人…

『裏バイト:逃亡禁止』95話の感想、もしくは労働なんぞやについて

はじめに 「黒岩案件」開始の感想はこちら。 sanjou.hatenablog.jp 労働なんぞや 文字通りの新章となった「黒岩案件」決着。 内容にはほとんど触れないし、オチもほぼ書かない。ただ、「労働」というものについて、なんとなく気づいたことがあったので書いて…

今日、脳から捨てたものについて ⑨

はじめに 主旨はこちら。 sanjou.hatenablog.jp 以下、捨てたもの ・本人が一番飽きてるやん 『相席食堂』。正確には、「本人が一番飽きとるじゃない」。 スギちゃんが持ちネタの「ワイルドだろ?」を流し気味にやったのを目ざとくとらえたノブのツッコミ。…

わからないことについて 2/2

sanjou.hatenablog.jp 碁の石をどこに置くか、機械に尋ねて返ってきた答えがなぜそうなったかわからないものであっても、それが誰かを傷つけることはない(おそらく)。 当然ながら、だからといって、すべての状況においてAIが提案する答えを信頼すればいい…

わからないことについて 1/2

何年か前に仕事で統計をつくっていたときに、Excelの表計算で算出した答えを電卓で検算するという作業をやっていた。意味があるのかないのか、持ち家借り家論争に匹敵する永遠の論題と言える。 俺は「こんなん意味ねえだろ、どうせ間違ってねえんだからよ」…

早さについて

どうも、世の中が早すぎる。 大きな事件があったので報道や意見交換が過熱するのは当たり前なのだが、起きてから、まだ一週間も経っていないのに、その背景や因果関係にまで言及されていて、正直言って目が回っている。 テレビでもSNSでもこの話題から逃れら…

ツバメについて

近所にある店の軒先にツバメが巣を作っていて、雛が3羽かなりでかくなってるなー、と思っていたら、この数日で全部巣立ったらしい。今朝見てみたら、巣がもぬけの殻になっていた。 そもそも、なんで飛び立つのか不思議でならない。人間だったら「そろそろ、…

監視について

電車内で置き引きに遭ったことがあって、荷物を網棚に置いて座席の前に立っていた。席が空いたので荷物をそのままにして腰かけて、降りる駅になったので立ち上がったらなくなっていたのだ。 頭上で自分の持ち物に手を伸ばしている人間がいたはずなのに気づか…

今と未来について

十何年間ぐらい、ずっと、「今と未来のこと」を考えている。 ひどいことが起きたときに、そのショックや悲しみ、怒りの感情が「今」ここにある。俺はそれが自分の中に氾濫するのを感じる。 ある意味、露悪的な言い方をすれば楽しんでもいる。 この強い感情の…

2022年7月7日について

人んちの。石塀の。紫陽花。 電線の写真を一枚までにとどめる禁則。 意味があると思うとつらいので、ないと思うことにしたら、もっとつらくなっちゃった。 月ってやつがあるらしいぜ。この世界には。 2022年7月7日。

経済、思想、信仰。最後に言葉。『チ。―地球の運動について―』8巻(最終巻)の感想について

はじめに 超話題作、8巻で完結。 あらすじと結末について細かくは触れないが、59~62話(最終話)までの俺なりの解釈と、「あの言葉」について考えたことを書いておく。 59~62話(最終話) 色々と勘違いしている可能性もあるが(だったら恥ずかしいな)、58…

穴について

穴 勤め先の駅にあるゴミ箱を職場からの帰りしなに見ると、ゴミを詰め込んで詰め込んで詰め込んでゴミ箱の口からビニール袋が変なかたちのまま飛び出して、ゴミとゴミの隙間にまでこれでもかというほどゴミが差し込まれ、さらにその上にゴミが乗せられていて…

2022年7月3日について

紫陽花は気づいたら咲いている。 川好き。配管も。 基本的に2羽いると仲違いしていることが多いが、この人たちはお互いに毛(羽)づくろいしていた。 鳩は嫌い。 ローソンでアイスコーヒーを買う。 注ぐときに氷にヒビが入ってばしばしいうのが好き。どこの…

黒岩案件。『裏バイト:逃亡禁止』第93話の感想について

はじめに ※ 特定の職業を差別するつもりはないですが、ご覧になって蔑まれていると感じた方がいたらお詫びします。 感想 好きな漫画でも、あんまり一話ごとの感想は書かないのだが、ちょっとすごいので書いておく。 掲載先であるプラットフォームの裏サンデ…

2022年7月2日について

波打ち際に、父親らしき男性に手を引かれて、小さな子供ともっと小さな子供の二人が立っていた。 俺もああいうことがあったかな。覚えてないが、きっとあったんだろう。 人生のすべてが、親に手を支えられて生まれてはじめて海の中に入っていったときにあっ…

メディアについて

sanjou.hatenablog.jp それが例え、心身を賭したような告発であっても(に見えても)、性悪説に立ち、この社会と俺たち自身を守ろうとする限り、真偽不明のものに手を出してはいけない。 それが、詳細を伏せ、あるいはぼかすことでしか告白することのできな…