悪夢について3

  友人と一緒にいて、そいつが「俺の叔父さんがさあ、」と親戚の話を始める。

  あたりが妙に暗い。誰もいない工場のような、地下室のような、知らない機械がたくさんあって室内を無数の配管が走っている。
  「別の叔父さんがさあ、」と友人はまだしゃべっている。
  「あと別の叔父さんがさあ、」と友人が言うので、「お前叔父さん何人いんだよ」と言って相手の顔を見る。
  友人の目の中に、瞳が蜂の巣のように無数にぎっしり集まっていて、それがてんでんばらばらに色んな方向を見ている。「あと別の叔父さんがさあ、」とそいつが言う。
  これが本当に自分の友達なのか、わからない。ただ、こいつの言っている叔父さんなんていうのは、この世のどこにもいないんだろうということは、なんとなくわかる。