普通に面白かった、という話。
5巻が引き続き面白いです。キャラクターが増えてきて、主人公を除いたキャラ同士にも因縁が生まれ、群像劇感が出てきました。
昔倒した敵が仲間として物語に帰ってくる展開はやっぱり熱い。『嘘喰い』だったら主人公サイドより密葬課とか、準メインクラスの立会人の方が好きだったんですが、そのことを思い出しました。
フォルチ(強者)はこの巻で全面クリア。ここからはドゥロ(難)編に入るみたいです。
ドゥロへの導入がカッコいいですね。
5巻で出てくる新キャラに三箸というヤクザがいて、このキャラクターも格闘技の心得があって(ヤクザに日拳というイカした組み合わせ)底が知れない感じなんですが、その三箸があのB・Jパネルのドゥロシールを剥がして正体が判明する、という演出。
三箸自体が相当強いというのを見せつけた後で、その三箸も、ドゥロの名前には驚愕させられる、という流れが最高です。
フォルチが各格闘技の有望株というレベルだとすると、ドゥロからは暴力を日常的な生業にしているステージなんでしょうか。そこから推測すると、ゲヘイロ(戦士)はプロの格闘家最強クラスとか、武道の達人とか、そういう人たちかな…。
カポエイラという格闘技の、マイナーさゆえの有利性に言及しつつ、ここ(5巻)からは研究され、対策される側に回る、と自ら釘を刺していくのも潔い。『バトゥーキ』の立ち会いは不意打ちOKですが、それ込みでも、ここから登場する難敵に一里がどこまで通用するかは未知数です。
あと、今巻で特に良かったのはB・Jをめぐるくだりです。
B・Jの一里への接し方は、歪んでいるものの愛情を感じさせることがあって、そこから、俺は『バトゥーキ』のテーマの一つに、B・Jと一里の疑似家族関係があると思っています。
今巻でもB・Jの掘り下げは深められていて、もう、準主人公ってことでいいですかね? 一里と境遇もある意味似ているみたいだし。
そしてB・Jにも、上でも書いたように、一里とは別のところで色々な因縁が生まれています。三箸の所属する組ともモメてますし、一番注目したいのは栄子(一里の友達)との関係です。
栄子はB・Jに一目惚れなんでしょうか。確かにあのヘアスタイルをやめたB・Jはなかなか男前ですが。
もう一つ、今巻でB・Jの割とガチのバトルが見られます。ポイントはB・Jはやはり相当強く、『嘘喰い』で言ったら中堅立会人ぐらいの戦闘力はあるということ。
これはつまり、『嘘喰い』の暴のレベルと『バトゥーキ』がある程度地続きであるということ、将来的に両作がクロスオーバーする可能性が生きているということではないですか。どうでしょう(それでも夜行さんとか出てきたら一気にバランスぶっ壊れそうだけど)。
あと、相変わらずお化けネタでB・Jをいじるのが迫さんは好きらしいです。レイとの会話は結局どうなったのかな?
というわけで、『バトゥーキ』5巻が普通に面白かった話でした。以上、よろしくお願いいたします。