野田サトル

『ゴールデンカムイ』30巻の感想について

30巻。次が最終巻とのことで。 ここまで、めちゃくちゃ重厚な物語を読ませてもらってきた。2014年連載開始だから、ものすごく長期連載ってわけじゃないんだよな。 でも、作者はもちろん、登場人物の一人一人にお疲れ様と言いたくなるこの感覚。 堪能した。見…

シリアスな場面にぶち込まれるギャグはなんのためか、について

前回の記事の内容(下記)から、いくらか続いているんですけど、こんなことを思ったという話。 sanjou.hatenablog.jp 面白い作品は、マンガに限らず、シリアスの中に笑えるところが入っていることが多いと思う。 これは、その物語がいわゆるギャグパートと真…

狂った犬のように走ることについて

tonarinoyj.jp 『ゴールデンカムイ』の最新話まで無料公開、というすさまじいキャンペーンが始まっている(9/17まで)。 もちろん、これを契機にして最新の単行本を買ってくれれば、あるいはグッズを買ってくれれば、といった利益を見込んだうえでの判断だろ…

『ゴールデンカムイ』1巻の感想について

一時期、山に関する小説を好んで読んでいた。 熊谷達也の『邂逅の森』、坂東眞砂子の『山妣』など。山という場所がいかに人にとって恵みに満ちた場所かを知る中で、特に興味深かったのが熊に関する記述だった。 肉や毛皮はもちろん、熊はその胆嚢にものすご…