惨状と説教

誰か山から降りてきてほたえてから山に帰っていく記事。ブログ

ネイチャー

『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』の感想について ③

「デス・ゾーン」はどこから始まっていたのか? 「登山家」栗城史多氏の半生と死を追ったノンフィクション。 ①では登山界における異物としての栗城氏について、②では彼についてときどき語られる、SNSが及ぼした多大な影響という言説について反証した。 最後…

『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』の感想について ②

ソーシャル・ネットワークは栗城史多氏に何を及ぼしたか 「登山家」栗城史多氏の半生と死を追ったノンフィクション。 前回、登山という世界における異物としての栗城氏の存在に想像をたくましくしてみたが、その続き。 栗城氏とその死については、SNSの功罪…

『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』の感想について ①

はじめに かなり気持ちを揺さぶられた。 「登山家」であり、2018年にエベレストで滑落して亡くなった栗城史多氏についてのノンフィクションだ。なお、登山家にカッコがついているのは、本人の技量や手法が問題視されたことによる。 読み終えて、三つの感想を…

深い緑と青い春。『猿神のロスト・シティ―地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ』の感想について

はじめに 青春小説のフォーマットの一つに「探して、見つけて、そして失う」というものがあって、村上春樹とかポール・オースターとかよくこういう構成を使うのだが、逆に言うとこのフォーマットにならっているとその作品はぐっと青春小説らしくなるのである…

嗜好品2種。『紅茶スパイ―英国人プラントハンター中国をゆく』と『胡椒 暴虐の世界史』を読んで思ったことについて

どちらも1600年~1900年ごろのヨーロッパとアジア間の貿易をテーマに扱った作品である。 最初探していたのは前者だったのだが、図書館でおさめられていた棚をあらためて見ると後者も面白そうだな、ということで手にとった。こういう、本来ターゲットにしてい…

植物すごいぜと思うことについて

昨年末に植物の鉢を一つ買った。 きっかけは、BRUTUSで植物の特集をやっていて、アホのようにそれに影響されたからである。ちなみに、この特集自体はしゃれおつな写真とわかりづらい専門用語ばかりの解説とあたりさわりのない紀行文とが寄せ集められた、いか…

カブトなし。クワガタほぼなし。それでよし。『きらめく甲虫』の感想について

昆虫が好きなのだが子供の頃はもう今の比ではなくて、狂ったように山野を網を振って走り、即席のヒシャクのような道具をこしらえて水中をかき回したりしていた。 昆虫にも色んな種類がいるわけだが、そんな当時、甲虫の特別さときたらすごかった。花の中に全…