はじめに
主旨はこちら。
以下、捨てたもの
家がない!
元ネタは『妖怪ハンター』。
異界に吸い込まれてしまった小さい女の子が、偶然、現世に戻ってくることができた。しかし、異界にいる間に現世では長い時間が経過しており、家はとっくになくなってしまっていた。その際、彼女が発したセリフ。
自宅がなくなって呆然とするとか混乱するとかでなく、ただひと言、「家がない!」と怒る。
作者である諸星大二郎の特異性については、その画風を評して手塚治虫が「真似できない」と語ったことが有名だが、俺はこういうヘンテコなセリフ回しの方に個性を感じる(単に絵についてよく知らないだけだが)。
トマトに砂糖かけるのか?
元ネタは『バナナマンのバナナムーン』。
番組中、日村が主にしゃべって設楽が横からくだらない茶々を延々と入れ続ける、というパターンがあって、このセリフもこうした流れの中で設楽が発したもの。
日村がまだ新人だった頃、コント赤信号の渡辺正行から、将来的にどうしていくつもりなのか尋ねられたことがあったという。
「お前ら、(これから)どうすんの?」と、そのときの渡辺の言葉を再現する日村。つまり、芸人としての今後のプランはあるのか、という意味なのだが、その後を勝手に設楽が継いで発したセリフが、「トマトに砂糖かけるのか?」である。
社長も喜んではるわ
元ネタは『ガキの使い』の「絶対においしい~」シリーズ、炊き込みご飯回。
なんでんかんでんのインスタント麺を白飯に混ぜ込むというアイデアを出した山崎邦正が、尋ねられてもいないのに「僕、(なんでんかんでんの)社長のことも好きで…」となぜか語り出した後、「美味そう」「美味そう」と周囲の期待が高まる中で発したセリフ。
あれはお化けですよ
元ネタは落語の演目『牡丹灯籠』。
あまり言う機会のないセリフだと思う(これに限ったことではないが)。
このパッドを貼ってな このパッドを貼ってな 電流を流すのじゃ
元ネタは『スナックバス江』。
元ネタの元ネタは芥川の『羅生門』。
この作品、基本的には奇想とか斬新という印象はなく、別にけなすわけでもなんでもなく(ファンなので)、優等生的なギャグ漫画だと思うのだが、このネタに関しては本当に狂ったようなすごい発想だと思った。
素晴らしきかな 初期衝動
元ネタはあるが、確実に誰にもわからない。だって20年近く前に、お茶の水のヴィレッジヴァンガードの店内POPに書かれていたコピーだからである。
浪人時代に、ほぼ毎日通っていた。あの独特な香りのする店内で、サブカルチャーな本棚の間を濁った目で歩きながら(tだ、目は今でも濁っている)、黄色いPOPの文字が並んだ空間にいることで救われた時期があった。
浮世根問
落語の演目から。
知ったかぶりのご隠居を生意気なクソガキが延々と問い詰めていくという内容。ガキに「浄土というのはどこにあるのだ」と聞かれ、ご隠居が「西にある」と答え、「そこから先に西に行くとどうなるのだ」…というやり取りが続く。
途中、回答に窮したご隠居が苦しまぎれに「そこから先はもう、むやみに朦々(もうもう)としているのだ」と答えるターンがあり、その困り方を笑うところだろうけども、実際のところ、あらゆる物事のさらに先は、むやみに朦々としているとしか言いようがない領域があるんだろうな、という気もして印象に残っている。
まるまーる
元ネタは『ガキの使い』の企画、ハイテンション・ザ・ベストテン。サバンナ・八木の持ちネタ(?)。
自分の体を丸めて「まるまーる」、体を広げて「だいまーる」というだけのネタで、とてもベテランがやるような内容ではない。
最後のオチはネタを見せ終わったのち、司会役の松本から「(あなた)芸歴何年ですか?」と尋ねて「18年です」と答えるところ。
以上