2015-01-01から1年間の記事一覧

こま切れになったわたしたち、あるいは申し訳程度の『暗闇の中で子供』の感想

希望がない。 というとなんだか沈鬱な感じがするけど、それほど深刻な話じゃない。 自分はこうなりたいな。 周囲がこうだったらいいのにな。 そういう望みがあまりないという話だ。 人間の希望。俺が希望に対して抱くイメージは、希望を持つその人たち自身の…

『ゴールデンカムイ』1巻の感想について

一時期、山に関する小説を好んで読んでいた。 熊谷達也の『邂逅の森』、坂東眞砂子の『山妣』など。山という場所がいかに人にとって恵みに満ちた場所かを知る中で、特に興味深かったのが熊に関する記述だった。 肉や毛皮はもちろん、熊はその胆嚢にものすご…

『皇国の守護者』3巻の感想、あるいは軍人とJKの共通点について

尊大と卑屈の調節ができない。 他の人に対してやたら上からになったり、逆にへつらうようになったり。後から自分のそういう態度を悔やんで、うーん、とか言ったりする。仕事帰りの電車の中や自室の隅とかで。 なので、素直に他の人を認める、ということがで…

『黒博物館 ゴーストアンドレディ』の感想、もしくは単にフローレンスかわいいぜ、の話

看護婦。女性看護師。 なんのとは言わないが、一大ジャンルであると思う。 俺は特に好きではないけども、「ああ、なるほどね」と思わせられる体験があった。 入社当初、総務課長に健康診断の提出を求められて正直に「ないですね」と答えたところ大型犬の横ツ…

ソニックマニア2015の感想について Prodigy、電気グルーヴ編

音楽イベント観に行くのを「参戦」とか言いだしたら人間もう終わりだな、と思っている。 なんかわざわざ人に言って聞かせてる感じがするじゃないか。うるっせーつぅんだよ。どうせ俺には一緒に行く相手はおろかそういうこと言う知り合いもいねえよ、ってんで…

ソニックマニア2015の感想について Perfume、Marilyn Manson編

音楽イベント観に行くのを「参戦」とか言いだしたら人間もう終わりだな、と思っている。 なんかわざわざ人に言って聞かせてる感じがするじゃないか。うるっせーつぅんだよ。どうせ俺には一緒に行く相手はおろかそういうこと言う知り合いもいねえよ、ってんで…

『黒博物館 スプリンガルド』の感想、もしくは単に学芸員さんかわいいぜ、の話

雪の降る中を、一人で箱根の彫刻の森美術館に行ったことがある。 美術館と言っても、室内ばかりに作品を展示しているわけではない。広い敷地の中、建物から建物へと移動する間にもオブジェが設置されている。広い芝生などもあるため、美術館というよりは公園…

27時間テレビで思ったこと、もしくは笑うことに関する整理について

※27時間テレビ全体の感想を期待されている方、フジテレビはクソテレビ局でお台場にあるあのでっかい玉の中いっぱいにたぶんゴミが詰まってる、みたいな内容を期待されている方、いらっしゃったらたぶん肩透かしです。すみません。 『牡丹灯籠』という落語が…

『秋津』1巻の感想、もしくは「ギャグ漫画に生かされているもの」について

中二病なので有能な二枚目がカッコつけて派手に必殺技かまして世界を救う話が好きである。 中二病なのでパッとしない地味男が実は結局有能で結局二枚目であり、しゃかりきになって機転を利かせて何かを救う話が好きである。 中二病なので特になんの長所もな…

『皇国の守護者』2巻の感想、もしくは課長 新城直衛について

今年度の「新入職員にきいた上司にしたい有名人」の1位は、男性が松岡修造で女性が天海祐希だったらしい。 松岡修造が職場で俺の課の課長席にいることを想像してみる。確かに良いかもな、と思う(今の上司に不満があるわけでは断じてないけど)。 自分の席と…

『おしえて! ギャル子ちゃん』2巻の感想、もしくはアラサーの社会人がスクール水着の夢を見るかについて

中学校まで水泳の授業は男女合同だった。 何年か前、テレビのバラエティでグラビアアイドルにコスプレをさせてその写真を撮る、みたいな企画をやっていて、チュートリアルの徳井義実がスクール水着の川村ゆきえにつけた「みんなの中で自分だけ発育がよくて恥…

『皇国の守護者』1巻の感想、もしくは6巻発売を待つ日々について

これからある漫画についてベタ褒める記事を書く。 たくさんの人がすでに評価している作品だ。それも、何年も前に完結している。 でも、作者の最新作の感想を書くにあたってこちらをなんとなく読み始めたところ、先にこの作品について何か人に伝えるための場…

『おしえて! ギャル子ちゃん』の感想、もしくは彼女たちの15年間について

高1のある日、教室から出た俺が下の階に降りようと階段に向かうと、上り階段の方に誰かが一人が腰かけて、携帯電話で誰かと話をしていた。 それは学年に何人かいるギャルのうちの一人だった。髪の毛を思いっきり茶髪にして、メイクして、うちの高校は私服だ…

『淵の王』の感想の続き、もしくは俺らが今いるべき場所について

小さな白い光が闇の渦の中に一本すうっと光線を伸ばしている。 私たちはその光の道を進まなくてはならない。 舞城王太郎の『淵の王』について、前の記事で紹介した。 俺と『淵の王』について - 惨状と説教sanjou.hatenablog.jp 今回は、前回触れなかった『淵…

『淵の王』の感想について

「……それが普通だよね」 「それが普通だよ」 「結婚前なら、まだ耐えられるかな?」 「……私はね、あんたに私のこと好きになって欲しいんだよ。私だけのことを。それも中村悟堂だけにね」 夢中で読んだ。職場最寄駅構内にある啓文堂で買って、電車の中で読ん…

はじめに

ここ4年間くらいの記憶がないのである。 俺は1年の留年を含め5年通った大学を卒業し、そのまま社会人になった。4年前のことだ。 大学の頃の記憶もかなりあいまいなので都合9年間くらい覚えていることがいい加減な期間があることになるが、それにしても勤め始…