悪夢について 7

 部屋の窓がすべて閉められていて、隙間から陽の光が射している。朝なのか昼間なのか。夕方なのかわからない。

 自宅で親と二人で食事を目の前にして、皿の上に蝶の幼虫を焼いたものが何匹か乗せられている。火が通っているはずなのにまだ動いていた。

 それを見ていて、嫌だな、となんとなく思った。これまでずっと食べてきたけど、なんだか嫌な気持ちになった。

 俺、なんだかもう、これ食べたくなくなっちゃったなあ、と言ったら、「それなら食べなくてもいい」と言われた。

 怒っているわけでもあきらめたわけでもなく、嫌ならしかたがない、という感じだったので少し驚いた。

 なんだ、別に食べなくてよかったのか、と思った。

 嫌だったらやめてよかったのか。そんなことだったのか、と思った。