部屋の窓がすべて閉められていて、隙間から陽の光が射している。朝なのか昼間なのか。夕方なのかわからない。
自宅で親と二人で食事を目の前にして、皿の上に蝶の幼虫を焼いたものが何匹か乗せられている。火が通っているはずなのにまだ動いていた。
それを見ていて、嫌だな、となんとなく思った。これまでずっと食べてきたけど、なんだか嫌な気持ちになった。
俺、なんだかもう、これ食べたくなくなっちゃったなあ、と言ったら、「それなら食べなくてもいい」と言われた。
怒っているわけでもあきらめたわけでもなく、嫌ならしかたがない、という感じだったので少し驚いた。
なんだ、別に食べなくてよかったのか、と思った。
嫌だったらやめてよかったのか。そんなことだったのか、と思った。